カナンの園で働く私たち。
― 仕事、生活、願い、そして夢。

カナンの園に限らず、教育や介護も含めて、福祉現場で働く人材の不足は深刻さを増しています。 この仕事の魅力を伝えられていない?あるいは、もっといい労働条件が示せれば、などと原因を考えてしまいます。 そこで、実際に現場で働く若い方々の思いを聞いてみたいと、 カナンの園で働き始めて1年目から4年目までの方々に集まっていただき座談会を企画しました。 仕事のこと、生活のこと、将来の夢、そしてカナンの園や利用者さんたちへの思いなどを語り合ってもらいました。

出席者 竹澤 和人(生活支援センター:1年目)
三上 詩織(小さき群の里:2年目)
三浦 航(三愛学舎:3年目)
佐藤 香織(ヒソプ工房:4年目)
司会 岩崎 崇(三愛学舎)
座談会 2019年1月12日 Caféおーでんせ(となんカナン)

カナンとの関わり

司会
竹澤和人さん(生活支援センター)

今日は土曜日の午前という設定にも関わらず、集まっていただき、ありがとうございます。ここはキッズスペースもあります。お子さん連れの佐藤さんもいますが、どんな設定にしますか。

佐藤

できれば娘がゆっくりできるように、キッズスペースでお願いします。

司会

では、こちらでやりましょうか。

*皆でキッズスペースに移動。

司会

それでは改めてよろしくお願いします。まずは自己紹介からいきましょうか。所属、仕事内容、趣味などを聞かせてください。

三浦

三愛学舎の教員で3年目です。本科1年生を担当しています。趣味は、ずっとサッカーを行ってきて、現在は知的障がい者サッカー連盟のスタッフとして、選手と一緒に汗を流しています。他にはスポーツジム通い、温泉も好きです。

竹澤

生活支援センターでグループホームの生活支援をしている1年目の職員です。趣味は、料理なので、グループホームの食事作りにも役立っています。得意料理はオムライスです。フットサルもやっていて、カナンの園の職員や利用者の方々と活動しています。

会場となったCaféおーでんせ(となんカナン)
司会

オムライスといっても色々あるけど…。

竹澤

卵ふわトロのオムライスです。

全員

うゎぁ~、食べた~い!

三上

小さき群の里2年目です。支援員としてリサイクルで回収した缶の選別作業を担当しています。また、音楽療法で、月1回、歌ったり、楽器を鳴らしたり楽しく活動を行っています。趣味は映画鑑賞、カフェめぐりです。

佐藤

ヒソプ工房4年目で、支援員を行っています。現在、育児休暇中で、娘は生後6ヶ月です。娘共々よろしくお願いします。現在は子ども中心の生活になっており、趣味も子育てですね。一息ついた時に、録画していたテレビ番組やDVDを観たりすることが安らぎになっています。

それぞれのきっかけ

三上詩織さん(小さき群の里)
司会

ありがとうございます。皆さん職場も経験年数も違いますが、親しくなる機会だと思って、ざっくばらんに話していただきたいと思います。みなさん、聞いてみたいことはありますか。

三浦

では、私から質問です。この仕事に就いたきっかけを聞きたいです。

私は、大学が宮城県で、障がい者サポートサークルでレクリエーション指導をしていました。何かその経験を活かせる仕事がないかと思ってハローワークに行ったところ、三愛学舎の求人があり、応募しました。あまりにもタイミングよく運命を感じました。

竹澤

私は、両親が以前カナンの園で働いていて、福祉の仕事に興味がありました。別の福祉事業所で10年間非常勤で仕事をしていましたが、このまま非常勤ではまずいと思い、カナンの園の職員になりたくて、応募しました。そして正規職員として採用していただきました。

三上

私は、音楽療法を学びたくて北海道の大学に行きました。岩手県で就職したいと思った時、高校で3年間、カナンの園後援会の街頭募金に参加していたことを思い出し、カナンの園に応募しました。

利用者の方々が音楽療法をすごく楽しみにしてくれ「次はいつ?」と聞いてくれるのが嬉しいです。資格を活かして働ける職場だと思います。

佐藤

音楽療法って、どんなことをするのですか。

三上

歌を歌ったり、自由に楽器を鳴らしたりする中で、気持ちが解放され、ストレスが緩和されるようにします。皆さん好きで、ジャンベという楽器をよく鳴らします。言葉では上手く伝えられなくても、音と音とでコミュニケーションが取れることや、活動を通して自己表現できることが素晴らしいと思います。

佐藤

ありがとうございます。私は、保育士になりたくて専門学校に行きました。高校時代の運動部のコーチがとても熱い人で、福祉事業所で働きながら、外部コーチとして、指導していただきましたが、そのコーチから「ボランティア活動をしなさい」と言われていました。その方の紹介でフライングディスクのスタッフとして、障がいのある方々と関わる機会があり、とても楽しかったです。その経験が後押しし、専門学校での実習で行ったヒソプ工房でこの世界に心を奪われました。そして、迷いなくヒソプ工房で働くことを選びました。

司会

出会いって重要ですよね。他に聞きたいことありますか。

佐藤

料理上手な竹澤さん、グループホームで料理を出したときの利用者さんの反応はどうですか。

竹澤

何を作っても喜んでくれるので、嬉しいです。冷蔵庫などにあるもので、ご飯、汁物以外に3品のおかずを作るようにしています。

三浦

すごいなぁ。私は一人暮らし経験があるので簡単なメニューは作れますが、三愛学舎では生徒と一緒に昼食作りの授業があり、日々勉強中です。

司会

私も三愛学舎で料理を覚えました。

竹澤

三愛学舎はすごいですよね。就職実習で行った時、生徒の皆さんが自然に包丁を使いこなしていて、びっくりしました。

仕事と生活

三浦航さん(三愛学舎)
三上

話しは変わりますが、先ほどの趣味の話でも気になったのですが、休日はどんな過ごし方をしているんですか。

竹澤

普段は犬の散歩をしています。夏場は青森県の小川原湖に行き、しじみ採りなどをしています。職場におすそ分けをしたら好評でした。

全員

今度、私達にもくださ~い。

三浦

私は、やりたいことをすると決めて、計画します。一昨年はバンジージャンプ、昨年はボルダリング、今年はスカイダイビングをしました。普段はサッカーなどをしていますが。

全員

すごーい。スカイダイビングの話し、もっと聞きたいです。

三浦

つい先日スカイダイビングをやってきたんですが、その様子は授業で話す予定なので、それまでは内緒です。

佐藤

私は子育て中なのですが、夫の実家が近く、娘を連れて顔を出すようにしています。義父が「来たかぁ」と喜んでくれるのがうれしいです。

三上

普段は奥中山に住んでいるので、休日は実家に戻り、友達とカフェや旅行、ライブに行ったりします。あとは、声楽研究会に所属しており、定期的に活動しています。

竹澤

仕事と私生活のバランスってどうですか。

お子さん連れのご家族などに好評なCaféおーでんせキッズスペース。「いわて子育て応援の店」として登録されています。
三浦

仕事が終わらず自宅に持ち帰ることもありますが、基本的には休む時は休むと決めています。

佐藤

私も同じです。仕事に集中するときはあるのですが、休む時には休むようにしています。

三上

普段奥中山にいるので、休みの日は実家に帰り、切り替えのバランスをとるようにしています。

竹澤

勤務外に余暇支援として利用者の方々と卓球をしたりするので、半分仕事という感じもありますが、普段では築けない関係作りができて楽しいです。メリハリはつけるようにしており、家に帰るとリセットされます。

司会

子育て真っ最中の佐藤さん。職場ではお子さんができてから産休に入るまで、配慮はありましたか。

佐藤

ヒソプ工房の皆さんには、色々な配慮いただき、ありがたいという気持ちしかありません。すごく感謝しています。産休ギリギリまで仕事に関わらせていただきました。重い物を持つ時に声をかけて代わってくれたり、デスクワークに切り替えてくれたり、良くしてくれました。復帰後は、仕事、育児を両立することになり、初めてなので自信はないですが、やるしかないし、きっと皆さんに支えていただけると思っています。

就職した頃の自分に一言

佐藤香織さん(ヒソプ工房)
司会

話が盛り上がってきましたが、終盤になってきました。「就職した頃の自分に一言」というお題でお願いします。

三浦

「三愛学舎で働くことになって良かったよ」と言いたいです。ここで働かせていただき感謝しかないです。それから、「就職する前に、もっと人と関わること、たくさんの人と話すこと、勉強しておいた方がいいよ」、とも言いたいです。

竹澤

「転職して正解だよ」と伝えたいです。

司会

もう少し具体的には?

竹澤

上司から「責任はとるからまずやってみて」と言われて、仕事を任せていただける職場です。それが自分の力になっています。ありがたいです。

三上

「毎日が新しく、すごく楽しみながら仕事ができ、そういう環境の中で仕事ができて幸せだよ」と伝えたいです。

佐藤

「この仕事につけて良かった」と言いたいです。それから「もう少し勉強していれば良かった、もっとボランティアをやっておけば良かったという後悔もあります。」それがあると、もっと厚みをもった支援ができるようになるかな、と思います。

司会

みなさん、すごくまじめですね。お話を聞きながら、今日のキーワードは、「厚み」「深み」かな、と思いました。「厚みのある支援(教育)」ということはもちろんですが、生活や人生そのものに厚みや深みを求めている姿、そしてそれをカナンの園で自然体でやっている姿に共感しました。

最後に、カナンの園に望むこと、伝えたいことはありますか。

三浦

これからもカナンの園の一員として、たくさんの方々と関わり、横のつながりを大切にしていきたいです。

竹澤

カナンの園は、地域の方々との関わりが濃く、利用者のことを分かってくれています。これからも大切にしていきたいです。

佐藤

子育てに関する要望や悩みを話せる場があればいいと思います。

三上

近くに住む方との交流、つながりが大切だと考えています。高齢者への音楽療法などもできるといいと思っています。また、小さき群の里の利用者の方々の高齢化に伴い、終末期医療の課題があるので考えていきたいです。

司会

福祉は現場の方々の実践の積み重ねから制度が作られてきました。カナンの園にも同様の歴史があります。これからを作っていくのはみなさんの実践です。若い方々の感覚、今を生きている皆さんの提案が、これからを作っていきます。そんな皆さんを心から応援しています。本日はありがとうございました。

座談会を終えて…

「働き方改革」「ワークライフバランス」などのことばが注目される今日ですが、座談会の様子から見えてきたのは、自分の「居場所」を見つけ、仕事と前向きに向き合い、気負いなく今とこれからを大切に生きているステキな若い方々の姿でした。組織として、一人ひとりが働きやすい職場をつくるのは大切なことですが、もっと純粋に、まぶしいくらいに輝く彼らを応援したい!と思いました。(事務局佐藤)

CANAAN GROUP