機関誌より『ことばひろい』を掲載しました。
■ 第2期
■ 第1期
第03回(2):『 「友達を大切にしてほしい」 』
三愛学舎 伊藤和彦
2011年11月15日発行(機関誌105号)
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9月7日、カナン牧場の従業員による自治会「エピの会」の代表者3名が、総合学習の時間、生徒に“出前授業”をしてくれました。 昨年も「働くこと」というテーマで後輩たちに授業をしてくれています。今回のテーマは「友達について」です。 事前の打ち合わせで、代表者の一人が、「卒業して、働くようになると、つらいことも多いけど、困ったときに相談できる友達が励みになる。 そんな友達を大切にしてほしい」そのことを後輩たちに伝えたいということで。当日は、自由な討論ができるようにと、3人の先輩も生徒の間に入り、 椅子も丸く円になるように並べ、“しゃべり場”をつくりました。サポート役の教師が円の中で、意見の要約を記録します。 今回はワークショップのようなイメージとのこと。エピの会メンバーの「みんな、友達はいる? 三愛に入ってから友達できた?」という質問から “しゃべり場”がスタートしました。
「先輩と友達になった。作業が一緒だったので」
「ごく自然に友達になった」
「学校に慣れると、普通に話せるようになった」
「スポーツとかやっているうちに、お互い声をかけているうちに友達になった」
「趣味つながりで友達になった」
「アニメが好きなもの同士で友達になった」等。
生徒が話し始めると、次から次に話題が広がり、脱線しては戻りの自由な“しゃべり場”になりました。 自分から話せないでいる生徒にも話しを向けてくれて。
中学校時代の頃の話題になった時、生徒からこんな話しが出ました。
「(中学を卒業して)普通の学校に散らばっている。今は会いたくない」
「仲が良かった友達に似ているなと思ったけど、恥ずかしくて話しかけられなかったことがあった。 (その友達は)普通の高校に行ったので。どうしたら勇気だせるのかな?」
「嫌な人いましたか?」
そんな問いかけに先輩は「(俺も)小、中学校の時の友達と会いたくなかったけど、会ってみると、30歳過ぎると、 あぁ、自分で壁をつくっていたんだなあと、わかることがある。自分からアプローチしていかないと、友達はつくれないとわかった。 思い切ってアプローチして」とのアドバイス。
授業が終わり、エピの会メンバーは、「今回は、生徒の迫力に圧された…」「緊張して…」と少し反省点もありましたが、伝わっていたと思います。 考えてくれたと思います。
エピの会の先輩たちが、後輩にこんなメッセージを送ってくれました。「自分のこと、社会のこと、疑問に思ったことを、 先生も生徒も腹一杯しゃべれるような雰囲気で、そんな仲間がいてほしい。仲間がいるのが専攻科だから」
これからも宜しくお願いします。
“お互いに学び合う仲間として”。